2024年もあと少しで終わりです。今年の目標は放置していたこのブログを毎月1記事以上書くことでしたが、無事達成できて良かったです。
今年最後の記事は雑に2024年の好きな物を振り返ってみたいと思います。 ちなみに2024年に私が触れた好きな物の話なので販売、放送等が2024年以前の物も含まれます。
アプリ
Obsidian
Obsidian - Sharpen your thinking
今年はメモアプリにObsidianを使い始めました。OneNoteからの乗り換えです。
Obsidianの良いところはGitで管理できるところと豊富な拡張機能です。
同期の話
私の行動先には圏外のエリア(LCCの機内、フェリー、通信の弱い新幹線車内など)が多数ありオンラインのノートサービスでは使いづらい場面が多くありました。
OneNoteに関してはノートブックをローカルとOneDriveに同期して使う方式のため要望は満たしていたのですが、最新のノートがOneDriveから同期されないというトラブルが多くあり乗り換え先を探していました。
ObsidianはiOSなどアプリでGit同期するにはWorking Copyアプリと連携させるなどしないと添付ファイルの同期に問題があり初期設定コストは高いですが、設定さえすめば大変快適かつ安定して使えています。
拡張機能の話
Obsidianは拡張機能コミュニティが大変活発でさまざまなプラグインが公開されています。
個人的に便利なのがKindle Highlighterというプラグインです。これを使うとKindleの書籍情報、ハイライトをObsidianに同期できるようになります。
またChatGPTなどLLMとの連携プラグインも豊富なためハイライトした文章を元に要約などの自動生成も行えます。
日報用のカレンダーを追加したり、Kanbanボードを追加したり等幅広くプラグインがあります。
その他
Obsidianにはドキュメントのリンク状況を見るグラフビューがあるので使えば使うほど成長していくのも楽しく、今年1年でかなり成長しました。
この記事が書けたのも感想をObsidianに書いていたからということで1番目の紹介になりました。
Dify
Dify.AI · 先進的なAIアプリケーションのためのイノベーションエンジン
今年もっとも弄っていたアプリはDifyだと思います。 DifyはAIを活用する上で必要なデータ収集、前処理、モデル構築、デプロイを簡単に行えるようにしたOSSノードベースプラットフォームです。
使い方の例としては
- 指定のルール(話者の設定や日本語をどこまで訳すかなど)を指定しての翻訳
- 見て欲しい観点を意識したドキュメントレビュー
- 雑な音声メモからの文字起こし要約
- Obsidianで書いた内容を元にしたLLM回答
など幅広く利用しています。
LLMが関係するソフトウェアを書くとき、自然言語とコード言語が入り交じると見づらく、またプロンプトやLLMの変更等も少し面倒です。この試行錯誤を繰り返す時にDifyは大変便利でした。
DifyそのままでもAPIとして公開できますし、Difyで固まった仕様を元にコードに書くという使い方もできて大変おすすめです。
Cursor
Cursor - The AI Code Editor
去年まではJetBrains IDEを使っていましたが、今年はCursorを使い始めました。
これはVisual Studio Codeをフォークして作られたLLMを活用するのに便利な機能がふんだんに詰まったIDEです。 もちろんLLMを活用するだけであればGitHub Copilotなど拡張機能をVS Codeに入れても使えるのですが、SSH経由でのリモートデバッグなどを行う際に各サーバーごとに拡張機能の設定をするのが面倒です。
Cursorであればデフォルト状態でLLM関連機能が内蔵されているのでリモートデバッグでの設定が不要です。
Cursorについての使い方について解説する記事は世の中にいっぱいありますし、本記事の主題からもズレてしまうので好きな機能をいくつか紹介することにとどめておきます。
Component機能
Component機能でLLMに開発依頼すると複数ファイルをまたいだコードを生成してくれます。 Chat機能で進めると神クラスが爆誕することになりやすいのでコード規約等を説明してからComponent機能で依頼するとMVVMとかMVPとか設計パターンに沿って開発してくれます。
.cursorrules
.cursorrulesというファイルを作成することでLLMに質問する際の共通プロンプトを変更できます。ここに命名規則や設計パターンを入れておくことで良い感じのコードが出やすくなります。Component機能や後述のAgent機能を使う際にはこのファイルを作り込んでおくことが重要です。
ちなみにCursor Rulesなどに各言語のおすすめファイルが纏まってるので参考にどうぞ。
Agent機能
最近ではAgent機能が追加され、コマンド等を自動実行できるようになりました。
「main.goを実行するDocker環境を構築してください。作成後にcurlで http://localhost:8080/hello にGetでアクセスして「Hello World」が表示されてばOKです。」といったプロンプトを入力すると、Docker fileが構築され、curlで叩けるまで自動で環境構築、実行、エラーログ解析、修正と試行錯誤してくれます。
コマンド実行時とファイル変更時は問題ないかユーザーに確認してから実行されるため、ヤバいコマンドを勝手に実行されることはありません。
書籍
記録によると今年は大体100冊程度読んでました。(うち31冊が幼女戦記です)
やがて君になる
2015年くらいから連載が始まって2018年くらいにアニメ化された記憶がありますが、今年初めて読みました。 ちなみに1巻購入日は2017/5/26と寝かせに寝かせてようやく読みました。
まず侑ちゃんが可愛い。絵もめっちゃ綺麗だし、心理描写も良くてストーリーも8巻で終わるのでサクサク読めます。 あと侑ちゃんが可愛い。
ちゃんと男キャラがいるのも良いです。男キャラも居る上でちゃんと向き合って百合やってるのが非常に良い。百合物では女キャラしか出てこない作品も多く、百合物と言われているがそれただの女友達では?という内容が多い昨今。しっかり男キャラも周りにはいる状態で百合を描いている作品はとても良いです。
百合に挟まる男は滅びるべきですが、百合の周りには男が必要なのです。
百合作品の最高傑作とかよく言われてる理由がわかる作品でした。
やがて君になる
まだ読んでないですがスピンオフの小説もあります。『安達としまむら』を書いた入間人間先生なので読む前から尊い。たぶん正月に読む。
やがて君になる 佐伯沙弥香について
余談ですが昔は百合作品をそんなに読んでなかったのですが去年くらいに『転生王女と天才令嬢の魔法革命』で沼にたたき込まれました。
アニメ1話のアニス様の「私が攫ってあげる さぁいこ すぐいこ」の部分が良すぎて尊い。転天に出会う前と後ではKindleのサジェストが別人のように変わってしまいました。
2024年に読んだ物ではないのですが是非読んで欲しいので何卒。
転生王女と天才令嬢の魔法革命
アニメ1話もニコニコ動画で無料で見られます。
幼女戦記(漫画)
たぶんアニメ1期、2017年くらいに既刊の漫画は読んだ記憶があるので純粋に2024年の読書かというと微妙なところがありますが今年読み直したので2024年とします。
この作品の恐ろしいところは刊行ペースです。まず、2016年連載開始、月刊連載でなぜか既刊31巻もあります。単行本の刊行ペースが週刊の物とそう大差ありません。1巻あたり2話〜3話しか収録されていません。そして1話が70Pくらいあったりします。
戦闘シーンでは見開きの迫力あるカットも多く作画コストも高そうです。なぜこのペースで書けるのか不思議です。
内容について、幼女とタイトルには書いてありますが主人公が幼女で可愛い事以外はガッチガチのWW2架空戦記物です。(なお本書ではWW1が存在しない世界なので厳密にはWW2ではない)
私が選ぶタイトルで読まない人が結構いそうランキング2位なので近代戦架空戦記物が好きな人には是非読んでいただきたいです。(ちなみにタイトルで読まない人が結構いそうランキング1位は『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』です)
幼女戦記
主人公が大隊長ということで前線戦闘シーンが多いですが、戦闘シーン以外も戦略、戦術談義が非常に楽しいです。漫画31巻を使ってもアニメ1クール+劇場版の内容が終わっていないという非常に丁寧な漫画化で戦略談義についても分かりやすく書かれています。
近現代架空戦記物を読んだことがない方には入門用としてとてもおすすめです。
テムズとともに――英国の二年間
2024年は天皇陛下が英国をご訪問されました。
陛下は、かつて英国のオックスフォード大学へご留学されており、その時のご体験を綴られたご本が『テムズとともに――英国の二年間』です。
テムズとともに――英国の二年間
陛下はオックスフォード大学でテムズ川についてご研究をされていたそうで、それが書籍のタイトルにもなっております。
この書籍の興味深いところは、我々が絶対に体験できない、英国王室とのご交流が描かれている点です。(エリザベス女王自らがお茶を入れてくださるシーンなど)
そしてオックスフォード大学の仕組みと生活です。これはハリー・ポッターで見た寮生活に非常に似ており……というかホグワーツのロケ地がオックスフォード大学なのですが、創作で見たホグワーツの生活が実際に現役の大学としてあるという事実は非常に興味深いです。
私はたまたま、この書籍を読んだ後に陛下が英国をご訪問されたということで、非常に良いタイミングで拝読できたと思います。
この書籍の続編……ではないですが、彬子女王殿下のご留学体験記である『赤と青のガウン オックスフォード留学記』もおすすめです。旧Twitterで一時期話題になった、僻地の空港で外交旅券を出した際に入国管理官に「なんであなた外交旅券を持ってるわけ?」と聞かれ「日本のプリンセスだから?」とお答えになられたエピソードなど、プリンセスの日常が書かれております。
赤と青のガウン オックスフォード留学記
絶望死のアメリカ――資本主義がめざすべきもの
2024年は選挙イヤーと呼ばれ、世界人口の約半数が選挙を行いました。(そして主要先進国すべてで与党が議席を減らしました)
その中でも注目の選挙がアメリカ大統領選挙で、結果はトランプ大統領が再選し返り咲きとなりました。トランプ大統領といえば1期目の当選では白人の労働者層が多く支持していたというデータがありました。
その米国白人労働者層についての現状が書かれた本が本書です。
絶望死のアメリカ――資本主義がめざすべきもの
米国白人労働者層の経済困窮については日本でも報道されていますが、その困窮具合は想像以上のようです。 本書は著者が中年白人層では死亡率が上昇しているという事実を見つけ、その原因を探るために取材を行った結果が書かれています。
日本に住んでいるとアメリカというのはそれなりに好景気で、インフレは酷いけれども給与は日本人の数倍貰っていて、様々な先端技術が生まれている国というイメージがありますが、本書を読むと時代の流れに取り残された人々の姿を見ることができます。
米国の先行きというのは世界の先行きであり(特に日本は米国と同盟関係を結んでおり米国が先行きによって影響を最も受ける国のひとつでしょう)、本書を読むことで日本の将来について考えるきっかけになると思います。
(若干というか、だいぶ記述が冗長なのが読むのに少し辛いかも)
日本人と自衛隊: 「戦わない軍隊」の歴史と戦後日本のかたち
米国の歴史学者が書いた非常に珍しい自衛隊の歴史本です。
日本史の教科書には自衛隊についての記述はほとんどありません。自衛隊についての記述があるとすれば、戦後、警察予備隊が設立されその後の自衛隊になったという程度だった記憶です。
今後数年の間に防衛増税ということで「防衛特別法人税」、「防衛特別所得税」など新規の税金が導入される予定です。ちょうど良い機会なので自衛隊についての知識を深めるために読んでみました。
昨今の自衛隊のイメージといえば災害派遣での活躍が多く、好意的なイメージが強いと思います。しかし本書では設立当初の非常に不遇な時代の自衛隊が描かれています。左派からは違法で違憲な存在として、右派からは旧軍の精神を忘れ米軍に隷属する存在として、そして中道派からは税金泥棒などと全方位から批判的な目で見られていた自衛隊が、今のような好意的なイメージになるまでの歴史が描かれています。
国民に寄り添い認められる組織として、1964年の東京オリンピックの協力、札幌雪まつり、地域の農作業までを担い苦労してきた組織の歴史を知る事ができる本です。
日本人と自衛隊: 「戦わない軍隊」の歴史と戦後日本のかたち
日本人が自衛隊の事について記載するとやはり偏りが出てしまうので、海外からの客観的な目線で書かれた非常に貴重な書籍だと思います。
映画
今年は映画館で見た映画が16本、家で見た映画が13本でした。
トラペジウム
トラペジウムに関してはまったく知識がなく、他の映画を見ているときの予告編でよく見る映画だなという程度の印象でした。主題歌の「なんもない」が結構好きだなというのでリリースされたあと曲だけは聞いていました。
あまりアイドルジャンルを見ることもないので映画を見に行くつもりはなかったのですが……
(「彼氏がいるんだったら友達にならなきゃよかった」編ってなんなんだよ、どんな編だよ)
旧Twitterでこの動画が流れてきて興味を持ち見に行きました。
内容はアイドル狂信者である東ゆうがアイドルになるために手段を選ばず他人を踏み台にしてアイドルになろうとするサイコスリラーアイドル映画です。
端的にいえばやべぇ狂気の映画を見てしまった。えぐみの極み。アイドル作品で業界の闇が描かれている作品は多々ありますが主人公が一番の闇というのは中々に珍しいのではないでしょうか。
ここまでで本当にこれを人に勧める気がある文章なのか疑う内容が記述されていますが、今年最も記憶に残った映画は間違いなくトラペジウムです。是非この狂気を皆様にご堪能いただければ幸いです。
やはりこのシーンの東ゆうの狂気の表情が最高ですね。
その他
『劇場版ドクターX』はFINALと言うだけあるこれまでの風呂敷をすべて畳もうとするストーリーでとても満足していました。ただ最後の締め方だけが好みではなかったので外しました。
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』は内容も予告編も知らずにタイトルだけで見に行ったら当たりで良かったですね。
あとは今年の映画ではないですが、『インターステラー』を池袋のIMAXレーザーGTで鑑賞しました。これは最高の経験でした。
ドラマ
今年のドラマは6作品程度視聴しました。
MIU404
ある日、Amazon Primeで左上にサジェストしたので『アンナチュラル』を見始めました。
法医解剖医が主人公のミステリーで面白くて一気に見てしまいました。その後のサジェストで『MIU404』が出てきたのでそのまま見始めました。
『MIU404』はよくあるバディ物の刑事ドラマです。 見ている途中で知ったのですが『アンナチュラル』と『MIU404』は同じ脚本家の作品でした。そして『MIU404』で『アンナチュラル』のキャラが出てきました。
そう!オタクは同じ作家の別作品のキャラがクロスオーバーするとテンションが上がる生き物です!
その点を考慮しなくてもストーリーが全体的に好きで特に8話の「君の笑顔」が大変好みでした。
また、『MIU404』のサントラも大変好みで今年一番聞いたアルバムになりました。
メインテーマも良いですし、トラック5の「伊吹藍」も好きです。一番好きなのはトラック4の「警視庁から各局」ですね。こういう謎言語乗ってる曲、好きなんですよ。
今年はさらに同じ世界を共有する映画『ラストマイル』もありました。こちらにも『アンナチュラル』と『MIU404』のキャラクターが出てきますし、各作品のサントラもそのまま流れて大変テンション上がりました。
3作品一気見するととても楽しめると思います。
ラストマンー全盲の捜査官ー
大泉洋が主役ということで見始めました。日本に来た全盲のFBI捜査官と一匹狼の刑事のバディ物です。
メインストーリーがとても良かったですね。「何も知らない大泉洋」が堪能できました。書くとネタバレを踏みそうなのであまり書けないですが最後まで見て欲しい作品です。
ストーリーとは関係無い話ですが、作中では全盲のFBI捜査官をアシストする機器がいくつか出てきました。耳に挟んだカメラで映した景色を音声で解説させたり、過去に出会ったことのある人物を顔認識すると名前を読み上げたりする機器です。2024年のAI技術を使えばすぐ作れそうだなと感じました。もし数年前ならSFに近い機器ですが今では作れそうに感じる、2023年〜のAI技術の発展は凄まじいなとドラマと関係ないところで感じてました。
アニメ
今年見たアニメは6作品くらいです。あまり見られてない理由は去年から『名探偵コナン』を全話見るというのをやっており今年も250話ほど見たためこれで20クール分くらいの時間が取られているからですね。
小市民シリーズ
めっちゃ雰囲気が大好きでした。そして小佐内さんの喋り方と声が癖になります。落ち着いたピアノソロ曲のような喋り方で良いです。
そして一番好きな物がEDです。実写にキャラが合成されてる映像大好き侍をやっているので好きに決まってるEDです。
この作品は基本シネスコサイズで作られてるのですがEDだけが16:9で作られており、視野が広がる上に実写映像なので現実感が増します。それが登場人物が本当に岐阜に居るように感じてとても良かったです。
(あと、カメラ動かしながらベストタイミングでカラスが柱に止まるの奇跡のショットすぎて強い。)
ちなみに今年は同じく岐阜の実写映像を使っている作品で『変人のサラダボウル』がありました。今、岐阜が熱い!
『小市民シリーズ』に話は戻って、この作品のOP曲のMVなのですが、英語字幕をONにして見るとYouTubeの字幕機能でここまで凝ったことができるのかと驚くくらいの字幕が構成されてたので是非英語字幕をONにして見てもらえると嬉しいです。
まとめ
以上、2024年に摂取した好きなコンテンツの感想でした。
2025年は『Summer Pockets』のアニメ化もありますし、久しぶりのKey完全新作である『anemoi -アネモイ-』もあります。人生の大半をKeyの信者として過ごしている自分には最高の1年になることが約束されている1年になりそうです。
今年刺さったコンテンツの多くがなんとなく見て刺さった物です。来年も似たような偶然の刺さりがあると良いなと願って今年最後の記事として締めくくりたいと思います。
来年もよろしくお願いいたします。