前回、ProxmoxのVM上でADS-Bのデータを受信することができました。
今回は、そのデータをFlightradar24に共有する方法を紹介します。
Flightradar24にデータを共有する目的
Flightradar24は、全世界の航空機の位置情報を提供するサービスです。
基本的には無料で利用できますが長時間の確認、過去のデータ、細かい機体情報などは有料プランが必要です。
そして有料プランが最上位Businessプランで年額499ドルします……
その499ドルがADS-Bのデータと共有することで無料!!!!受信機の代金なんて1ヶ月で元が取れます!!
というわけで、ADS-BのデータをFlightradar24に共有して無料で利用します。
データを共有する
前回の記事でADS-Bのデータを受信することができました。今回はそこから始めて行きます。引き続き同じVMに対して操作を行います。
今回はこちらのGitHubのリポジトリを参考にしています。
GitHub - sdr-enthusiasts/docker-flightradar24: Multi-architecture docker container (arm32v7/arm64/x86_64) running flightradar24 fr24feed. Designed to work in tandem with https://sdr-e.com/docker-adsb-ultrafeeder
Sharing Keyの取得
Flightradar24のアカウントを作成します。またアンテナ設置場所の緯度経度標高が必要なため事前に調べておきます。 緯度経度は前回Google Mapsで調べた物をそのまま使います。標高は国土地理院の地理院地図が便利です。
地理院地図の中央カーソルの高度が左下に表示されます。
建物の高さ分は含まれてないのでよしなに加算してください。単位はフィートを要求されるので最後に変換します。
VM上で下記コマンドを実行します。
docker run -it --rm ghcr.io/sdr-enthusiasts/docker-baseimage:qemu bash -c "$(curl -sSL https://raw.githubusercontent.com/sdr-enthusiasts/docker-flightradar24/main/get_adsb_key.sh)"
起動後の質問には下記の様に返答します。
Step 1.1 - Enter your email address
Flightradar24のアカウントのメールアドレスを入力します。
Step 1.2 - If you used to feed FR24 with ADS-B data before, enter your sharing key.
空でenter
Step 1.3 - Would you like to participate in MLAT calculations?
no でenter
Step 3.A Enter antenna's latitude(DD.DDDD)
アンテナ設置場所の緯度を入力します
Step 3.B Enter antenna's longitude(DDD.DDDD)
アンテナ設置場所の経度を入力します
Step 3.C Enter antenna's altitude above sea level(feet)
アンテナ設置場所の海抜をフィートで入力します
Would you like to continue using these settings?
yes でenter
Step 4.1 Receiver selection
4のModes Beast でenter
Step 4.2 Please select connection type
1のNetwork connection でenter
Step 4.3A Please enter your receiver's IP address/hostname
127.0.0.1 でenter
Step 4.3B Please enter your receiver's data port number
30005 でenter
Step 5
2回ともno でenter
以上でしばらくするとメールでsharing keyが送られてきます。
データ共有用のDockerコンテナ設定
前回作成したDocker Composeの設置ファイルに追記します。
version: '2.0'
volumes:
readsbpb_rrd:
readsbpb_autogain:
services:
readsb:
image: ghcr.io/sdr-enthusiasts/docker-readsb-protobuf:latest
tty: true
container_name: readsb
hostname: readsb
restart: always
devices:
- /dev/bus/usb:/dev/bus/usb
ports:
- 8080:8080
- 30005:30005
environment:
- TZ=Asia/Tokyo
- READSB_DCFILTER=true
- READSB_DEVICE_TYPE=rtlsdr
- READSB_FIX=true
- READSB_GAIN=autogain
- READSB_LAT={緯度}
- READSB_LON={経度}
- READSB_MODEAC=true
- READSB_RX_LOCATION_ACCURACY=2
- READSB_STATS_RANGE=true
- READSB_NET_ENABLE=true
volumes:
- readsbpb_rrd:/run/collectd
- readsbpb_autogain:/run/autogain
- /proc/diskstats:/proc/diskstats:ro
tmpfs:
- /run/readsb:size=64M
- /var/log:size=32M
fr24feed:
image: ghcr.io/sdr-enthusiasts/docker-flightradar24:latest
tty: true
container_name: fr24feed
restart: always
ports:
- 8754:8754
environment:
- BEASTHOST=readsb
- FR24KEY={sharing key}
- MLAT=yes
いつものようにdocker compose up -d
で起動します。
起動後は前回と同じくhttp://<IPアドレス>:8080/
にアクセスしてデータが表示されるか確認します。
航空機の情報が問題無く表示されていれば次はhttp://<IPアドレス>:8754/
にアクセスしてFlightradar24の共有情報が表示されるか確認します。
Aircraft Uploadedが1以上であればOKです。正しくアップロードされています。
Flightradar24のデータを確認する
送信したデータが反映されるまで私は10分程度掛かりました。
Flightradar24にログインした状態で下記アドレスを開きます。
https://www.flightradar24.com/account/data-sharing
My Data Sharingに登録したアンテナの情報が表示されていて、右上のアカウント表示がBusinessになっていれば構築完了です。
ある程度情報が溜まると下記のようにデータを確認できます。どのくらいの航空機がどのくらいの距離まで見えているか確認できます。屋上で理想的なアンテナ設置がされていると400kmくらいまで見えるようです。戸建ての方はこの結果を見ながら調整してみると面白いと思います。
Flightradar24の有料版を楽しむ
有料版にすると航空路などの情報が表示できるようになります。いっぱいデータが見えて楽しい!!
航空路が見えると機内でこのあとどのようなルートを通るか予想ができるため景色を見るときに便利です。
また先日は強力な温帯低気圧の影響でダイヤ乱れが発生しました。その時も追跡時間の制限なく折り返し前の便の運行情報を見られましたのでラウンジの滞在時間等の調整ができました。
このように旅行に大変便利なFlightradar24を是非お楽しみください。
あと飛行機の撮影をしたいときも便利だと思います。(というか周りの人はそれが主目的で利用しています)