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楽天モバイル最強プランは本当に最強なのではないだろうか※

楽天モバイル最強プランは本当に最強なのではないだろうか※

はるか昔、まだ新型コロナウイルが猛威を振るう前の頃に第4の通信キャリアである楽天モバイルが誕生しました。 正式サービスは2020年4月8日開始でしたがその前の2019年10月から楽天モバイルのβテストにあたる無料サポータープログラムが開始されました。 その時の感想を同時記事としてまとめました。

楽天モバイル無料サポータープログラムレビュー

楽天モバイル無料サポータープログラムレビュー

色々とありましたが、いよいよ4月より楽天がMNO(移動体通信事業者)として正式サービス開始になります。 現実的に良い感じの着地点なのかなー pic.twitter.com/Bv3p9k5YqK — なまず (@namazuchin) March 3, 2020 今回は無料サポータープログラムでの検証なので本サービスの時とは違った内容になる可能性がありますが楽天MNO(楽天はMVNOもやってるので楽天MNOと本記事では表記する)の使い勝手を書いていこうと思います。 結論 詳細を書く前に、楽天MNOを契約して問

当時は

「データ通信SIMとして昔のイーモバイルやWiMAX的立ち位置で使う予定の人」以外にはあまりオススメできません。 印象としては楽天MNOエリア内で動いてなければ非常に快適です。

と結論づけました。しかし、それから4年の月日がたち、通信事情は大きく変わりました。楽天モバイルも大きく成長し、またプランの変更等で当時と大きく状況が変わっています。

現在、私のメイン回線は楽天モバイルになっています。また両親共に楽天モバイルを利用しています。(個人的に家族全員が同じキャリアを使う事を障害対策上あまり良いとは思っていませんが)

今回は楽天モバイルの現在の状況を他のキャリアの情報を踏まえてまとめていこうと思います。

前段として注意事項ですが、まず無線通信というのは場所、端末、時間、本人の体感等に大きく依存します。 なるべく客観的にまとめるつもりですが、ある程度は主観も入ります。 本記事ではエンジニアが通信サービスを使うにあたって、Ping、安定性、カバレッジなどを重視しつつ最高速度も一部参考値として記載しています。

通信というのは水物です、数年前私は最強の通信はdocomoの5Gギガホを5Gオフで利用する事だと旧Twitterで言っていましたが、現在のdocomoの現状については世の中で噂されているとおりの品質になってしまいました。数年で通信事情は大きく変わります、本記事は2024年1月時点の情報です。

本記事で通信キャリアからの金銭授受やアフィリエイト等はありません。

結論

本記事は長くなりそうなため先に結論を書いておきます。

現状、最強の通信はデュアルSIM対応端末で楽天モバイルをメインにしサブでpovoを使う事です。自宅や会社で楽天モバイルやauの電波が入らないなどあればこの限りではないですがどのキャリアでも良いのであればこの組み合わせがオススメです。

本記事を読むにあたって必要な知識

本記事を読むにあたっていくつか必要な知識があります。

人口カバー率

通信キャリアが発表している人口カバー率ですが算出方法は国の基準で「全国を約500m四方のメッシュに区切り、メッシュの過半をカバーした際に、当該メッシュの人口を全人口で除したもの」となっています。

周波数

通信キャリアが飛ばしている電波は複数あり、その飛ばしてる周波数帯によって通信速度やカバレッジが変わります。

(出典:令和5年度 携帯電話及び全国BWAに係る電波の利用状況調査の調査結果の概要について)

電波を評価するにあたってただ電波が掴めればOKではなく、どの周波数帯で何Mhzの幅があるかが重要になります。

周波数帯が低いほど電波は曲がりやすく建物内、ビルの隙間、山間などに届きやすく、高いほど直進性が高くアンテナまで見通しがないと繋がらなくなります。

(出典:デジタル変革時代の電波政策懇談会(第2回)説明資料 - 楽天モバイル)

そして幅が広いほど通信速度が出やすくなります。

そのため使いやすい低い周波数帯は携帯電話以外でも多数利用されており貴重な帯域、プラチナバンドと呼ばれてます。ただ貴重なため幅を確保することができず、docomo、au、SoftBankは各社50Mhzの幅しか確保できていません。

低い周波数帯だけでは全ユーザーの通信を捌ききれませんので各社は高い周波数帯を使うことで高速通信用の帯域を確保しています。高い周波数帯は比較的空きが多いので200Mhzや400Mhzといった広い幅を確保でき、1Gbpsを超える高速通信を実現しています。

以上の理由により、スマホの画面でアンテナが4本立っていたとしてもどの周波数帯に繋がっているかにより快適性が大きくかわります。建物内に居る時は低い周波数帯にしか繋がって無く数十Mbps程度しか速度はでませんが、街中の屋外でアンテナ4本がたっている場合は高い周波数帯に繋がっている事が多く数百Mbpsの速度が出ます。

たとえば楽天モバイルでは同じ1.7Ghz帯でも5Mhzの幅しか電波を出していないところ(地下街、地下鉄などが該当)と20Mhzの幅で電波を出しているところがあります。

20Mhz幅の楽天モバイル

5Mhz幅の楽天モバイル

どちらも人が少ない場所で計測しており、どちらもアンテナ4本たっている状態ですが、まったく通信速度が違います。

5G、真の5G、なんちゃって5G

5Gの分類

5Gという言葉が飛び交っていますが、世の中には「真の5G」、「なんちゃって5G」などと呼ばれているものがあります。 とくにdocomoに顕著ですが5Gにすると遅い、4G固定にしたほうが良いなどと言われています。 ここでは5Gについてさわりだけ触れておきます。

5Gは下記3点が目玉機能です。

  • 超高速大容量通信
  • 低遅延通信
  • 多数の端末を同時接続

これらをすべて満たしてる5Gを「真の5G」と呼ばれていますが対応エリアはどの程度でしょうか?実はほとんど対応されていません。 正式名称は「5G SA(スタンドアローン)」と呼びますが例としてdocomoの対応エリアが下記PDFになります。

「5G SA」提供施設・スポット一覧

まだエリアではなくスポットの段階です。

では現状提供されている5Gはなんなのでしょうか? こちらは「5G NSA(ノンスタンドアローン)」と呼ばれており、4G設備に5G対応アンテナをとりつけて超高速大容量通信だけをユーザーに提供しているものとなります。

5G SAとは(au)

この時、5G対応のアンテナで5G用として割り当てられた高い周波数帯を利用している場合はしっかりとした5Gの高速な速度が出ますので5Gという言葉を使っても問題ないと思います。

この5Gのアンテナで低い周波数帯で電波を飛ばしたときはどうでしょうか?実はスマホの画面では5Gと表示されますが5Gの目玉機能はなにも提供されません。そのため「なんちゃって5G」と揶揄されています。

以上、同じ5Gでも大別して3つの5Gがあります。

なぜ、なんちゃって5Gがあるのか

なんちゃって5Gってそもそも何のために存在するのでしょうか?

それは快適に5Gを使うための下地として必要なためです。先ほど述べたとおり、5G用として割り当てられた高い周波数を使うと高速通信ができますが、高い周波数帯では建物内などに入ると途切れてしまいます。

いくら高速通信ができるとはいえブチブチ切れる回線では使い物になりません。そのため低い周波数帯で幅広い場所をカバーし、人混みなどは高い周波数帯で高速通信を提供するというのが理想です。

さて、高い周波数帯と低い周波数帯どちらも5Gを提供する必要がありますがauとSoftBankは低い周波数帯から、docomoは高い周波数帯から5Gの提供を始めました。

そのためau、SoftBankは5G表示のまったく速度は出ないなんちゃって5Gに、docomoは繋がれば高速だがすぐ切れる5Gになってしまいました。

これは総務省の資料でも傾向が読み取れます。

低い周波数帯での5Gカバー率

高い周波数帯での5Gカバー率

(出典:令和5年度 携帯電話及び全国BWAに係る電波の利用状況調査の調査結果の概要について)

低い周波数帯の5Gとしては700Mhzなどが使われており、auとSoftBankは5Gの人口カバー率88%と94%と非常に高い数値になっている一方、docomoは30%にとどまっています。

5G用として高速通信可能な高い周波数帯はいくつかありますが、これのどれかが掴める土地の割合を示した物が5G基盤展開率です。(人口カバー率ではなく無人地帯、海上を除く土地の割合のため低くなりがち)

こちらの数値を見るとdocomoは55%、auは14%、SoftBankは27%となっておりdocomoの健闘がわかります。

docomoの5Gは繋がれば非常に高速に通信できるのですが、低い周波数帯がないため途切れやすくネット上で「5GはOFFにしたほうが快適」と言われてしまいました。その結果、混雑スポットに5Gのアンテナを建設してもユーザーが皆4Gを使っているので効果が薄く、これが今のdocomoの通信状況の悪さに繋がったのではないかと私は思います。

auやSoftBankでは5Gを掴んでも早く通信ができるエリアは少ないですが途切れたりすることはなくユーザーの邪魔にはなりません。そうして混雑エリアに高周波数帯の5Gを設置することでユーザーは快適な通信を体感できます。

なぜdocomoは高い周波数帯の5Gから始めてしまったのか、経営判断なので理由はわかりませんがこれはdocomoの設備構成によるものがあるのではと思っています。この話は本題から逸れてしまいますし、ただの妄想の域を出ませんので割愛といたします。

楽天モバイルってどう

エリア

通信キャリアにとって一番大事な事は電波が入るかです。そしてその電波がどのような周波数帯なのかも大事です。

(出典:楽天モバイル サービスエリアマップ(2023年11月30日更新のもの))

現在の楽天モバイルは人口カバー率99.9%と謳っています。しかしこれはパートナーエリアであるauのエリアを含んでいる物です。 下記地図のオレンジ色に塗られた場所がauが楽天モバイルの代わりにエリア提供しています。

(出典:楽天モバイル向けローミングサービス提供エリア(2023年12月15日更新のもの))

また地図にはありませんが屋内や地下街などといった場所は都心でも多くの場所をauがパートナーエリアとして提供しています。

それでは楽天モバイルのエリアが大きくauに依存している状況はユーザーにとって問題があるでしょうか?

現時点でいえばほぼ問題はありません。

昔はauと楽天モバイルのエリアを跨ぐときに通信や電話が切れたりしていましたが今ではまったくありません。 また以前はauのエリアは5GB以上使うと通信制限が掛かかりましたが現在はどちらも使い放題です。

なのでユーザーは人口カバー率99.9%という数字を信じても問題ありません。

意識する必要はないですが実例として首都圏に住んでいればかなりの割合で楽天モバイルの電波が使えます。私の2024年1月のauエリアの通信比率は4%程度でした。

正月1週間は関西で兵庫、大阪、京都におり、その後に東海道を数泊しながら移動してこの楽天比率です。

このあたりは前回記事でお伝えしたサービス開始初期の楽天モバイルの品質から大きく改善してるなと感じています。

速度

楽天モバイルの速度ですが、4Gに限れば概ね数十Mbps程度。良くて100Mbpsを超えるくらいです。これは楽天モバイルエリア、auパートナーエリア双方で似たような結果です。

細かく説明するとauのパートナーエリアは800Mhz帯のみで10〜15Mhz幅での提供が多いため、1.7Ghz帯で20Mhzの幅がある楽天モバイルが早い傾向はあります。

一般的な楽天モバイルの通信速度例

ここからは実際に体感した速度の話となります。 これから記載するauはauが提供してるpovoの回線速度であり、楽天モバイルは楽天モバイルの自社が提供してる回線速度になります。

街中の通信

楽天モバイルは東京駅をはじめ主要な駅構内では速度はほぼ出ずに通信が途切れることが多いです。これは通信速度として0.1Mbpsを下回ります。

池袋駅で測定した楽天モバイル

これ以上速度が下がるとSpeedTestが完走しなかったため、SpeedTestが完走した比較的マシな結果になっています。

auは主要駅でも高周波数帯の5Gの設置を進めており満員の列車内でも数百Mbpsの速度が出ることが多いです。

上野駅14番線で帰宅ラッシュ中の車内で測定

しかしこれが武蔵野線より外側の郊外に行くと逆転します。

宇都宮駅で測定したau

auの高い周波数帯の5Gアンテナ設置が進んでいない郊外駅では楽天モバイルの方が速度が出ることが多いです。

つまり、楽天モバイルはユーザー数が少ないため郊外の4Gは快適ですが人が集中する都心では少ない周波数幅で多数のユーザーを捌けずに通信が困難になっています。auは高い周波数帯の5G等を整備している場所は快適ですが整備が間に合っていない場所ではユーザーが多いため楽天モバイルより不利な速度になっています。

楽天モバイルのみの利用では都心の通信に不安があるため、都心に強いauのpovo回線をサブにすることがお互いの弱点を補い合うことができる構成と言えオススメです。

田舎の通信

ここでいう田舎は列車が3時間に1本しかこないような場所を差しています。 そのようなエリアでも最近は楽天モバイルが入ったりして驚いたりしますが、基本はauのパートナーエリア回線になります。

日本の最西端である与那国島でもしっかり楽天モバイルの電波が入りました。

与那国島で測定した楽天モバイル

ちなみに到達可能最南端の波照間島はauのパートナーエリアのみでした。

都内ほど早いスピードがでるわけではありませんが、旧Twitterをする程度なら問題ない速度がでています。

ただdocomoやau直契約と同じエリアを田舎でカバーできているかといえばそうではありません。 auのパートナーエリアはすべてのアンテナが開放されているわけではないので楽天モバイルユーザーは使えないアンテナもあります。 やはりdocomoやauなどの方がカバレッジが広いですし、屋内は楽天モバイルだと圏外といった場所もあります。

しかし人が住んでる部分であれば概ね通信できるので楽天モバイルしか使わなかったとしてもそこまで困ることはありませんでした。

念のためサブでpovoやdocomo回線を利用した格安SIMがあると嬉しいと思った程度です。命の危険がある登山等が好きな方はサブ回線を用意した方がいいでしょう。

プランと内容

楽天モバイルは1プランです。2980円で通話も通信も使い放題。

(出典:楽天モバイル)

通信量に応じて段階的に月額費用が変わるため家から出ない事が多い月は20GBを下回りおトクに使えています。

あまり注目されませんが楽天モバイルは事務手数料をあまり取りません。他のキャリアでは直接契約でも格安SIMでも多かれ少なかれ事務手数料が取られます。また楽天モバイルは解約手数料も取りませんし、解約するのに数多の選択肢をくぐり抜ける必要もありません。

プラン自体のシンプルさも魅力ですが付随する事務手続きもシンプルである点が一番楽天モバイルの好きな点かもしれません。

通話

またRakuten Linkというアプリを使う必要がありますが通話料も0円なのが大きいです。

会社の通話はZoom、個人通話はDiscord、家族はFaceTimeを使っているため普通の電話をかけることは少なくなりましたがそれでも無料なのはありがたいです。とくに海外からかけても無料で使えるため海外旅行者にはオススメです。

ただし、Rakuten Linkの音質があまり良くないという点と通常の電話アプリで通話を掛けてしまうと料金が掛かります。 iPhoneでは着信は通常アプリに来てしまうので折り返し電話をするときにうっかり通常アプリで掛けてしまうことがあります。

データ通信

データ通信は3GB、20GBの段階を踏んだ後は無制限となります。 テザリングに別料金は取られませんし、どれだけ通信しても速度制限は掛かりません。

大量通信は設備に負荷がかかるため推奨するわけではないですが、とあるクラウドサービスのサービス変更で急遽20TBのデータを2週間でダウンロードする必要が生じたときに固定回線と平行して楽天モバイル回線でもダウンロードさせていただきました。

申し訳ないとおもいましたが楽天モバイルがあったお陰で期限内にダウンロードができました。この状態でも速度制限が掛かることはありませんでした。

また楽天モバイルは海外でも2GBまで追加料金なしで使えます。近隣諸国の日帰り旅行などには便利です。 2GB超過後も128kbps通信は可能ですし、高速通信を追加する場合も1GBあたり500円です。

数日滞在するのであれば現地のSIMカードを購入するのが良いですが、トランジットなど数時間しか滞在しない時も楽天モバイルは非常に便利です。

本筋からそれますが私は海外では現地SIMカードを購入することをオススメしています。

ヨーロッパ旅行オススメSIMカード | てくたび

海外旅行での生命線となるのがスマホです。日本の大手キャリアで契約していればそのまま海外でも使う事ができますが、それは最善手なのか実際にヨーロッパで検証してみました。

圏外対策

楽天モバイルは料金面で非常に魅力的ですが、やはりエリアは他のキャリアと比べると心許ないため要素要素で前述のとおり圏外対策のサブ回線が重要になります。

サブ回線をdocomo、au、SoftBankどれにするかは一長一短ありますがよく友人に勧めているサブ回線候補をまとめてみました。

povo

圧倒的にオススメなのがpovoです。auが提供しているサービスです。使わない月はまったく料金が掛かりません。 そして24時間330円で使い放題トッピングを購入できます。

(出典:povo)

普段は街中に住んでいるが遠出する日だけauを使いたいという方に最適です。

楽天モバイルと組み合わせればこれが最強です。私は期間限定で発売される180日間有効の1GBトッピングを購入し楽天モバイルが圏外の時はpovo自動的に使う用にしています。

iOSでは「モバイルデータ通信の切り替えを許可」を有効にすることで楽天モバイル圏外時はpovo回線が利用されます。

またpovoには海外利用オプションもあります。国によって料金は高いですが楽天モバイルでは使えない国も利用可能なためお守りとしてありがたいです。

mineo

次にオススメなのがmineoです。

(出典:mineo)

mineoの魅力はdocomo、au、SoftBankすべての会社から選択できる点です。

自宅は○○社の電波しか入らない。といったときに力を発揮します。

mineoでオススメのプランは「マイそく」です。最安で250円のプランがありますのでこれを契約し、必要に応じて24時間198円の使い放題を追加するとよい感じです。

注意点としてSoftBankプランではeSIMの利用ができません。また通信の最適化が行われているため一部サイトで画像などが劣化したりします。 mineoの通信最適化について

最後に格安SIMであるため12時台など混雑時間帯は通信速度が下がる傾向があります。

SoftBank 通信専用3GBプラン

SoftBankは通信専用になりますが月額990円のプランを提供しています。 こちらは1時間単位で使い放題を追加することが可能です。

(出典:SoftBank)

全体的に料金は高めになりますがSoftBank直契約になるのでSoftBankユーザー限定のPayPayキャンペーンなども利用できます。

[石野純也の「スマホとお金」] ソフトバンクの「データ通信専用3GBプラン」が実質0円どころか、もっとおトクな理由

 0円スタートで注目を集めた楽天モバイルの「UN-LIMIT VI」が、間もなく終了します。これを受け、povo2.0やLINEMOなどのオンライン専用プランが改めて注目を集めています。一方で、音声通話ができなくてよければ、ソフトバンクにもお得な料金プランが存在します。それが、タブレットやパソコン向けに用意されている「データ通信専用3GBプラン」です。

注意点としては長期利用すると月額が値上げになる点とeSIMがない点でしょうか。

電話の圏外対策

携帯電話として電話が圏外で受け取れないというのは非常に困ります。

そこで着信転送を利用して圏外の場合はサブ回線の電話に転送するようにしておきます。

この場合、通話料金が追加でかかりますが万が一楽天モバイルが圏外の状態で掛かってきた電話も受け取る事が可能です。しらない電話番号であれば出なければ通話料も掛かりませんのであとでRakuten Linkで折り返す運用がよい感じです。

SMSの圏外対策

二段階認証などでSMSが必要な場面は多いですがこれの圏外対策は厳しいです。AndroidスマホであればRakuten Linkを利用してデータ通信でSMSを受け取る事ができますがiOSでは圏内に居ることでしか受け取る事ができません。

SMSの受信はどのプランでも大抵無料のため登録するSMSの電話番号をサブ回線にすることで回避することが一応可能ではあります。

まとめ

以上、分かりやすくテザリングでも容量無制限で利用できる通話料無料の携帯会社これが現在の楽天モバイルです。

やはりエリアは他社に比べると劣るところもありますが、他社もサブ回線として魅力的なプランを出していますので組み合わせることで真の最強になります。

組み合わせのオススメはやはり楽天モバイルとpovoです。純auの回線が月額0円で利用でき、必要な時は330円で1日容量使い放題。 宿泊したホテルにWiFiがなく、楽天モバイルも圏外。そんな時に助けてくれるのがpovoです。

ただし、楽天モバイルのパートナーエリアもau、povoもauです。つまりauが繋がらなければどちらも繋がらないという事になります。そのあたりを気にするのであれば楽天モバイルとmineoのdocomoプランの組み合わせも有用です。しかし都心部ではdocomoも楽天モバイルも通信が詰まりがちのためそこには注意が必要です。

au以外で都心部でも通信したいとなるとSoftBankと楽天モバイルの組み合わせになります。地方でのSoftBankの入りはまだ悪いなと感じるところはありますがバランスが取れた構成だと思います。

記事のタイトルである「楽天モバイル最強プランは本当に最強なのではないだろうか※」この※は「楽天モバイル単体ではまだ最強ではないが他のサブ回線と組み合わせると最強になれる」と言った意味で付けました。

皆様の携帯キャリア選びの助けになれれば幸いです。

今後の楽天モバイルと通信キャリア

ここからはオマケコーナということで今後の楽天モバイルと通信キャリアについての予想を述べます。 ただの妄想ですので強い裏付けがあるわけではありません。こんな未来もあるかもなという程度の読み物として楽しんでいただければと思います。

冒頭、無線通信は水物とお伝えしました。数年前まではdocomoの5Gギガホが最強。そう言ったこともありましたが今では楽天モバイルとpovoが最強と思っています。そして恐らく二年後にはまた違ったキャリアが最強になるのでしょう。

それでは数年後の最強は誰になっているのでしょうか?

楽天モバイルの5G

楽天モバイルはこのまま利用者が増えていくと主要駅の通信が詰まる状態が拡大していき通信が困難になっていくと思います。 そうした場合に5Gが大切になっていきます。

しかし4Gの整備ですでに多額の赤字を抱えている楽天モバイルが5Gのアンテナまで投資できるでしょうか?高周波数帯の5Gは4Gと同じエリアをカバーするにはより多くのアンテナが必要になります。現状の価格設定で黒字化を成し遂げ5Gアンテナまで投資するのは難しいと思います。

ここが現在通信の詰まりが発生してるdocomoと大きな点です。docomoは予算さえ注ぎ込んでいけばいずれ良くなる日が来ると思いますが楽天モバイルにはその予算がありません。

各社の4Gトラフィック量

(出典:令和5年度 携帯電話及び全国BWAに係る電波の利用状況調査の調査結果の概要について)

それでは4Gで戦うとしてどのくらいの猶予が残されているのでしょうか?上の図は1MHzあたり通信量を表しています。

楽天モバイルは1MHzあたり1051TBを捌いています。これは他社の3分の1程度なのでまだあと3倍は余裕があるでしょう。 しかし、1人当たりのデータ通信量は年々増加します。すでに主要駅では通信帯域不足が発生しており、都市部に限ればあまり残された時間はないのかもしれません。

4Gでめちゃくちゃ頑張るのであればアンテナの出力を弱めて別のアンテナを周囲に配置し1アンテナにかかる通信負荷を減らすという方法もありますが追加の設置場所を確保するのも大変だと思われます。

各社の総トラフィック量

(出典:令和5年度 携帯電話及び全国BWAに係る電波の利用状況調査の調査結果の概要について)

こちらは5Gも含めた1MHzあたりの通信量です。まだまだこちらは他社と比べて余裕があります。 つまり5Gに逃がせればまだまだ今の品質を維持できそうです。

つまり前述のとおり予算を確保して5Gアンテナを増設できるかが楽天モバイルの今後の課題になると思います。

楽天モバイルのプラチナバンド

楽天モバイルはプラチナバンドとして3MHz幅の割り当てを受けました。念願のプラチナバンドを得た楽天モバイルですがこれはユーザーにとってメリットはあるのでしょうか?

楽天自社のプラチナバンドが提供されればその分パートナーエリアのauエリアが縮小されます。auは10〜15MHz幅があったのに楽天モバイルは3MHzの幅です。恐らく相当通信速度は遅くなると思われます。

またauほど広大なエリアのプラチナバンドアンテナを設置できるでしょうか?こちらも恐らく難しいと思われます。

つまり楽天モバイルがプラチナバンドを得た場合、都心部は通信速度が遅くなり、郊外部はエリアが縮小されるかもしくはauのエリアが残ると思われます。

ただし、自社プラチナバンドになったことでauへの支払いが減る事は楽天グループの財務状況の改善に繋がりますので長期的に見れば5Gアンテナ設置費用の捻出等に繋がるかもしれません。

あといつまでも他社のネットワークに依存するというのも健全ではありませんのでそこは必要な痛みなのだとも思います。 しかし一時的に今より品質が悪くなる時期が来るのではとは思っています。

インフラシェアリング

5Gのアンテナ設置が厳しそうな楽天モバイルですが、他社も5Gのアンテナ敷設に苦労はしています。

そこでインフラシェアリングという、つまり複数の携帯キャリアが1つの設備を共同で利用する形態が増えています。

「インフラシェアリング事業」により鉄道沿線 5G エリア化を加速します

JR東日本では各駅、駅間に5G設備を設置し携帯キャリア各社に提供するビジネスを始めています。こういう形態であれば楽天モバイルも自社で設置するよりは割安に混雑エリアのカバーができますので早い段階で5Gエリアが広がることが期待されます。

宇宙通信

楽天モバイルはスペースモバイル計画という宇宙の衛星とスマホを直接通信させるプロジェクトを進行中です。

「スペースモバイル」でどこでもつながる通信へ、楽天モバイルの挑戦

これが実現できれば空が見えていれば日本中どこでも通信エリアが確保できるようになります。楽天モバイルが地方のアンテナ設備工事をあまり進めていないのはこのプロジェクトに賭けているからかもしれません。

他社でも宇宙との通信を進めててauはSpaceXと共同で2024年である今年中にSMSを宇宙経由で送受信できるようになる予定です。

KDDIとスペースX、衛星とスマホの直接通信サービスを提供

データ通信や電話が衛星経由で快適に通信できるようになるにはまだまだ時間がかかると思いますが、これが完成すれば設備費用の節約に繋がることは間違い無いでしょう。

妄想まとめ

楽天モバイルを始め携帯通信は非常に足の速い業界で毎年新たな技術が公開され、各社がエリア、通信速度などを競い合っています。2024年はどういうサービスが始まり、どのような技術が公開されるのか楽しみにしつつ、楽天モバイルはこのまま最強で居てくれることを期待しています。

参考文献

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色々とありましたが、いよいよ4月より楽天がMNO(移動体通信事業者)として正式サービス開始になります。 現実的に良い感じの着地点なのかなー pic.twitter.com/Bv3p9k5YqK — なまず (@namazuchin) March 3, 2020 今回は無料サポータープログラムでの検証なので本サービスの時とは違った内容になる可能性がありますが楽天MNO(楽天はMVNOもやってるので楽天MNOと本記事では表記する)の使い勝手を書いていこうと思います。 結論 詳細を書く前に、楽天MNOを契約して問